浜松修学舎 中学校・高等学校

ホーム職員より10月の職員メッセージ その4

10月の職員メッセージ その4

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忘却の果てに・・・

302HR担任 尾島 邦生

この世に生を受けてぼちぼち52年になろうとしている。振り返れば様々な出来事が幾重にも折り重なり、その経験を経て現在の自分がある。ただ、最近は過去の出来事が折り重なりすぎて、もう振り返ることが困難なことも増えてきたようだ。

数週間前、中学3年生から高校3年生まで書いていた日記を偶然見つけた。私が日記をつけていたのは、後にも先にもその時期だけである。そこには稚拙な文字で幼稚な内容の羅列がほぼ毎日面々と綴られていた。誠に読むに堪えない。それでも読んでいるとその時分のことがかなり鮮明に蘇ってくるのはとても不思議な感覚だった。

ところが、中3の頃の日記を読んでいると、その中に出てくる友人の一人の名前(ニックネームで書いてあるのだが)が、どうしても思い出せない。「今日は、○○と××と△△とヤッくんと遊んだ。」や「今日、家に遊びに来たやつら・・・□□、※※、ヤッくん」とか、『ヤッくん』がかなりの頻度で登場するのだが、思い出せないのだ。それ以外の連中は顔も本名も声すら思い出せるのだが、『ヤッくん』だけ誰だかわからない。中学校の卒業アルバムを見て、それらしい人物を探してみたが全く思い当たる人物がいない。この現象は相当に気持ちが悪い。冒頭に述べた、折り重なりすぎた記憶の狭間で迷子になった人物なのだろうか。探偵を雇って探してもらうにしても情報がなさすぎるし、退行催眠をかけてもらって思い出すのも大袈裟だ。でもこのままにしておくのは擬しいので、連絡のとれる友人に尋ねてみようと思ったのだが、しかし今はみんな疎遠で一人も連絡がとれない有り様だった。

結局、諦めた私は、『ヤッくん』を座敷童子だと思うことにしている。

人間は忘却する生き物だと言われる。長く生きれば生きるほど忘れたいことも増えてくるだろう。そういう意味では忘れることはとても便利な機能だと言えなくはない。しかし逆に、忘れたくないのに、忘れてはいけないのに忘れてしまうことも増えてしまう。となれば、大事なことはメモをとるという習慣さえあれば忘却はある程度回避できるのではないか。だからみなさんには大事なことはちゃんと記録するということをお勧めしたい。と言いつつ、残念ながら私にはメモを見返す習慣がない。

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